なかなか釣れない。どうしても釣りたい!そんな方は、まず クロダイ チヌ の特徴や習性を知ってから、道具をそろえて釣りに行った方が良いです。
何も知らずに行くのとは全然釣果が変わってきます。
例えば、冬場は近場でなかなか釣れにくくなりますが、日中に水温が高くなりやすい浅場であれば、クロダイ チヌ がいる可能性があります。
このような習性などを本記事には書いていくので、しっかり知識として頭に入れておいてください。釣れる確率は絶対アップしますよ!
地域によって呼び方は違う
クロダイ チヌ は出世魚です。生きた年数や大きさによって呼び名が変わります。
関東では チンチン → カイズ → クロダイ
関西では ババタレ → チヌ → オオスケ
釣り人の間では、50センチ超えを「年ナシ」。60センチ以上を「ロクマル」と呼ばれています。
さらに クロダイ チヌ と同じような魚は海外にもいて、それぞれの国での呼び方は次のようになります。
英語名:Black sea bream Black porgy
中国語名:黑鲷 (ヘイチョウ)
韓国語名:감성돔 (カムソンドン)
上のリンクはyoutube検索結果の一覧につながっているので、各国のさまざまな釣り方をチェックしてみましょう。
日本とは少し違った釣り方が見られるかもしれません。
別名 | チヌ・クロダイ・カイズ・チンタ・チンチン・マチヌ・クロ・メイタ・チヌダイ・チヌタイ・マナジ・チン・ツエ・ババタレ |
科目 | スズキ目タイ科 |
普段 クロダイ チヌ は何を食べている?
雑食性で、海藻、貝類、甲殻類、小魚などを食べます。
釣りにおいては、上記のような貝類や甲殻類を使う場合もありますが、虫餌、コーンなどを使うこともあります。釣りで使うのは大体このようなものですが、雑食ですので家庭から出るニンジンの切れ端やパンなども食べるようです。
この雑食性から昨今問題となっているのが、海苔の食害です。
養殖している海苔が クロダイ チヌ に食べられるという被害がでています。国内で海苔の養殖が行われている有明海、瀬戸内海、伊勢・三河湾、仙台湾、東京湾のほとんどで見られているそうです。
また、貝類も好物であるため、養殖の牡蠣も被害にあっているという事例もあります。
このような雑食性から、地域によって下記のようなものが釣り餌として利用されています。
- オキアミ
- 青イソメ
- コーン
- サナギ
- イガイ
- パイプ虫
- カニ
- フジツボ
- フナムシ
- ボケ
- 海苔
地域の釣具店でどのような餌が使われているかを聞いてみて、実際に使って釣果を確かめてみましょう。
クロダイ・チヌにそっくりなキビレとの見分け方と違い
クロダイ・チヌ釣りをしていると、そっくりなフォルムなのに、少し色が銀色っぽい魚を見たことがある方もいると思います。その魚はキビレと言います。正式名称はキチヌで、クロダイ・チヌにとてもよく似ていて、クロダイ・チヌ釣りをしていると釣れることが多々あります。他の特徴としては、
ヒレの色:キビレは、腹ビレ、臀(しり)ビレ、尾ビレの下側が黄色い。
体の形::キビレはクロダイ・チヌに比べて、体高が高く、頭部が小さい。
生息域:キビレはクロダイ・チヌよりも沿岸域を好み、河口や内湾によく見られます。クロダイは沖合に出ることもあります。
見た目で判断する場合、だいたいヒレの色ですぐにわかります。
食べたかんじは、キビレの方が身が柔らかい印象です。私は釣れたときはいつもフライにして食べますが、弾力はあまりなく、簡単に口の中で潰れてしまうかんじです。
春から夏にかけては脂がのって身が締まり、美味しいようです。
主に河口付近で釣れやすいので、汽水域の魚特有の臭いがあります。それを消す下ごしらえさえできれば、刺身でも煮付けでの塩焼きでも、クロダイ・チヌと変わらない美味しさです。
さらに詳しく、クロダイ・チヌの特徴・習性を知ろう!
よく釣る人たちは、特徴、習性をよく知っているものです。
知っているから、季節によって釣り場を変えて、餌を変え、深さを変え、ウキを変え、撒き餌さを変え、サシ餌を変え。。。
変えるのには理由があります。その説明ができるくらいにクロダイ・チヌの特徴や習性を知っておきましょう。
大きさと寿命
10年以上生きる個体もいます。年無しと言われる50cmを超える個体は、15年以上生きていると言われています。一般的に南の方のクロダイ・チヌは餌が豊富なため成長も早い傾向があります。
- 1年目: 10〜15cm
- 5年目: 30〜35cm
- 10年目: 40〜45cm
- 15年以上: 50cmを超える「年無し」
食性
前述でも書きましたが、雑食性で、海藻、貝類、甲殻類、小魚などを食べます。釣りのサシ餌としては、オキアミ・コーン・イガイ・カニ・ネリ餌が一般的です。
生息場所
磯、港、干潟、河口域、テトラポッドの間や周りなど様々な場所にいます。季節にあわせて場所を移動すれば、一年を通して飽きずに釣りを楽しむことができます。
警戒心が強い
クロダイ・チヌは他の魚種に比べて警戒心が強い魚と言われています。
視覚、聴覚、嗅覚が鋭く、人の気配を敏感に察知します。
水面下から人影が見えると餌を食べなくなったり、すぐに深場に逃げて行ったりします。
あまり活性が高くない時は、目の前に餌があってもよく観察して、違和感があると食べずにその場を去ることもあります。
カサゴやアジやサバなどとは、ここら辺が大きく違います。
その警戒心の強さを知っているから、釣れた時の達成感がスゴイんです。
- 針のついた餌だと気づかれずに釣れた
- 人の気配を消すことで釣れた
- 撒き餌に夢中にさせられたから釣れた
- 違和感なく自然にサシ餌を落下させられたから釣れた
- ルアーの動きに不自然さがなかったから釣れた
など、自分自身が考えた通りの方法で、警戒心の強いクロダイ・チヌに気づかれないように釣る。
これがクロダイ・チヌ釣りにハマる要因の一つです。
季節によって居る場所を変える
季節によって居る場所が変わるため、釣り場を変えながら釣ると、一年を通して楽しむことができます。冬などの海水温が低い時期は、深場に移動したり、温暖化の影響で、浅場で越冬するクロダイ・チヌもいます。
季節ごとの違いを次にまとめてみます。
春
水温が上昇し始める春は、深場から浅場に移動してきます。4月から6月頃に乗っ込みシーズンとなり、産卵に備えてチヌの食欲が旺盛になるため、一年の中でも特に良型のクロダイ・チヌを数多く釣り上げやすい時期となります。50cmを超える年無しを狙いやすいのもこの季節です。 狙い目となる場所は、砂地に海藻、岩盤、シモリなどが点在し、潮通しの良い場所です。このような場所は、クロダイ・チヌがエサを求めて集まりやすく、絶好の釣りポイントとなります。
夏
9月中旬頃までは、春とほぼ同じ場所で良型のクロダイ・チヌを狙うことができます。産卵後の痩せた個体も多く釣れます。 夏の時期は餌が豊富にあるため、毎年同じような場所で釣れやすくなります。あなたの近くの港や河口でも釣れやすくなるでしょう。 特に、梅雨時や台風直後の荒天後で水が濁っている時は警戒心が緩むので、良く釣れることがあります。
秋
9月中旬頃を過ぎると小型のクロダイ・チヌが増え始め、同時にエサ取りの種類も増えてきます。そのため、良型のクロダイ・チヌを思い通りに釣るのが難しくなるのが秋のシーズンです。 エサ取り対策として、サシ餌はオキアミ以外にコーンや練り餌など、エサ取りがあまり食べないものを使い、クロダイ・チヌをピンポイントで狙うようにしましょう。
冬
12月頃からクロダイ・チヌは深場へと移動し始めます。 しかし、すべてのチヌが深場に移動するわけではありません。貪欲・体力のあるクロダイ・チヌは、浅場に残って越冬します。近年では、温暖化の影響もあり、水温がなかなか下がらず、浅場に残って越冬するチヌが増えている傾向にあるようです。 サビキ釣りやフカセ釣りなどが冬でも行われている場所であれば、餌付けされた状態になっている場所もあるので、人気の釣り場を探して行ってみるのが良いでしょう。 また、浅場や排水近くであれば、水温が上がりやすいので、冬のポイントとなります。
群れで行動する
特に幼魚の時期は群れで行動することが多く、成魚になっても季節や場所によっては群れを作ることもあります。私も夏〜秋に、堤防沿いを群で悠々と泳ぐのを見たことが多々あります。
夜行性
一般的にクロダイ・チヌは夜行性と言われています。
暑い夏は日差しを避けられないので、夜に電気ウキをつけて朝方まで釣りをする人もいます。また、夜間は警戒心がうすれるので、岸際に寄ってくる確率も上がるので、比較的釣れやすくなります。
冬になると夜は水温が低くなるため、あまり期待はできませんが、警戒心は薄いので釣れる可能性はあります。ですが、きっと極寒でしょうが。。。
夜行性と言っても昼間釣れないわけではありませんので、無理に夜に行かなくても良いです。
環境の変化に強い
水温や塩分の変化に強く、様々な環境に適応できます。
沖の方で網にかかることもあれば、ほぼ川というところで、ぶっこみ釣りで釣れることもあります。また、多少汚い海でも生きることができますが、そう言った場所では虫が付きやすく、寄生虫が付いた個体も見かけます。
産卵期は釣れやすいって本当?
クロダイ の産卵期はマダイより遅く、水温の上昇とともに始まり、地域や個体によって多少の差はありますが、一般的には4~6月頃の春から初夏にかけて行われます。この季節に釣れるクロダイを「乗っ込みクロダイ」と呼び、活性が上がり、数、型ともに期待できる釣りのベストシーズンです。
産卵場所
水深の浅い岩礁帯や藻場で行われることが多いです。
産卵方法
メスは多数の卵を産み、オスはそれに精子を放出して受精させます。
ちなみに、クロダイ・チヌは性転換します。
- 幼魚期: 生まれた時はすべてオスです。
- 成長期: 成長するにつれて、一部の個体がメスに性転換します。
- 成熟期: 大型個体はほとんどがメスになります。
要するに、乗っ込みの時期に釣れるクロダイ・チヌは、比較的大型の場合が多いということです。
卵
卵は浮遊性で、海流に乗って広がります。
おまさ五郎経験談
汽水域のクロダイ・チヌは臭い!その臭いを軽減する方法
汽水域(海と川の水が混ざるエリア)のクロダイ・チヌの身はちょっと臭いです。うまく調理しないと全然美味しくないので注意しましょう。
塩分濃度が低い汽水域では、クロダイ・チヌが浸透圧を調整するために、より多くの水分を体内に取り込む必要があります。その際、川水に含まれる様々な物質も一緒に取り込まれる可能性があり、これによって身が臭くなる個体がいます。
この汽水域で釣れたクロダイ・チヌの身の臭みをとる方法が、動画でありましたので、見てみてください。
っとここまで書きましたが、臭いの要因は決してこれだけではありません。
生息環境である海底が泥だったり、排水周りだったり、細菌が体内で増殖していたり。。。
汽水域は、人の生活の場や工場近くということもあり、沖と比べるとあまりキレイな海ではない可能性があります。そういうところで生きているのですから、なんらかの影響は体に出てきてもおかしくないですよね。
クロダイ・チヌの顔で何か小さな生き物が動いている!それは寄生虫だった。。。
実際に寄生虫が付いたクロダイ・チヌが釣れた動画があります。
海もゴミが浮いていて汚いですが、こういった、潮があまり動かない場所は、おそらく寄生虫が付きやすいんでしょうね。
さいごに
この記事で、クロダイ チヌ の特徴・習性がわかったと思います。
好んで食べる餌も分かり、季節によっている場所が変わることもわかったと思います。
これまで釣れなかった理由も、なんとなくわかった方もいるのではないでしょうか。
一年中釣れるターゲットですが、居場所にあわせて釣りをしないと釣れませんので、この記事で得た知識を生かして、次の釣行をどこに行くか決めてみてください。
きっと釣れますよw